連続上映会12「荒俣宏プレゼンツ 夏休み懐かしの理科映画+ECフィルム」
連続上映会12「荒俣宏プレゼンツ 夏休み懐かしの理科映画+ECフィルム」
水族館の歴史を執筆中の荒俣さんが、ネットで購入したという古い秘蔵の16㎜フィルム。その名も「サーカス水族館」。昭和天皇に生物学をたびたびご進講し「お魚博士」として知られた末広恭雄(1904~88年)の原作を映画化したものだ。なんと若き殿山泰司も出演しているのだという。末広恭雄は東大を退職した後、水族館京急油壺マリンパークの館長を務め、条件反射を利用した学習で魚を訓練し展示を演出した。まさに「サーカス水族館」を築きあげた人物。これは珍品。きっと水族館の輝かしい歴史の一場面が映っているに違いない!胸を高鳴らせつつ試写にのぞむと…。実はその内容は想像していたものとはだいぶ違っていた。少年の心に芽生えた「なぜ魚が音楽に合わせて踊るのか?」という疑問は、波瀾万丈のうちにゆっくりと育ち、大人達は優しくそれを見守る。戦後間もない頃に科学者が描いた物語は、焼け跡の中で生きる少年少女の好奇心の芽を大切に育む理科映画だったのだ。すぐ検索、最短距離で正解にたどり着くことがよいことであるかのような風潮の昨今、その姿は新鮮でもあり、うらやましくもある。同時代に始ったECフィルムの理科映像と併せて観ながら、あの時代の空気を感じたい。現代の「お魚博士」荒俣先生が熱く語ります。動物行動学の勃興期にはじまったECフィルムの思想性も見えてきます。荒俣さんがペナンで撮影したお宝最新映像も同時上映。
〈上映プログラム〉
【特別上映】
・映画「サーカス水族館」 企画:平凡映画部
※この映画は荒俣宏さんが水族館の資料収集のなかで手に入れた16mmプリントを自費でデジタル化し、上映するものです。版権にお心当たりのある方は主催者までお知らせ下さいませ。
※原作「サーカス水族館」末広恭雄著 河出書房刊 1956年
※原作初出 1955年4月~1956年3月 学研「6年の学習」連載
・ヒカリキンメの生態(撮影:荒俣宏)
・生まれたてのジンベエザメ(撮影:荒俣宏)
【ECフィルムより】
・イザリウオの一種 有対びれを用いての走行 1960年撮影 5分30秒 モノクロ サイレント
・押し伸ばし技法による土器づくり モロッコ リフ・ベルベル族 1950年撮影 6分 モノクロ サイレント
・キタリス 餌の陰匿 (未経験の幼仔) 1960/61年撮影 7分 モノクロ サイレント
■日時 :2017年8月2日(水)18:30開場/19:00開演
■会場:space&cafeポレポレ坐(東京都中野区東中野4-4-1-1階)
■ゲスト:荒俣宏(博物学者)
聞き手:下中弘
■予約:03-3227-1405 event@polepoletimes.jp(ポレポレタイムス社)
料金:予約:1,500円/当日:2,000円(ワンドリンク付)
公益財団法人下中記念財団、ポレポレタイムス社 共催
〈ゲスト〉
荒俣宏(博物学者)
〈プロフィール〉
作家、翻訳家、博物学・幻想文学研究家。ジャンルを越えた執筆活動を続け、その訳著書は300冊を超える。博物画や稀覯書の収集家でもある。1987年『帝都物語』で日本SF大賞、1989年『世界大博物図鑑』でサントリー学芸賞受賞。TVなどでも活躍。海中の不思議な生物の観察や飼育を愛好。EC映像活用委員会の応援団長
■共催:公益財団法人 下中記念財団(平凡社の創立者下中弥三郎を記念し、教育・出版に関する助成を実施)、ポレポレタイムス社
■企画:EC活用委員会/下中菜穂(暮らしの自由研究室)、丹羽朋子 (FENICS)、ポレポレタイムス社
■協力:川瀬慈(国立民族学博物館)、岡田一男(東京シネマ新社)、NPO法人 FENICS
■デザイン:大橋祐介