ECフィルム連続上映会20 「透明生物、クラゲとその仲間たち」
新シリーズ第1弾!
EC 生きものシリーズVoL.1「透明生物、クラゲとその仲間たち」
ゲスト:岡田一男(EC国際編集委員:1984-96年)
■日 時:2023年2月17日(金)開場18:30 開始19:00
■参加費:1,000円 ワンドリンク付
■予 約:電話:03-3227-1445 Mail:za@pole2.co.jp
世界中の人の暮らしと生物の生態を記録した、20世紀の映像の百科事典エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ(ECフィルム)。この映像群を現代を生きる私たちが、どう読み解き、活かしていくかを模索するために「EC活用プロジェクト」では、様々な上映会や展覧会、ワークショップなどを続けています。
この度新たに、ECに記録された「生きもの」の姿をフューチャーしたシリーズを始めます。1970〜90年代に日本で新しいECの展開を担った東京シネマ新社の岡田一男さんのセレクトと、日本で記録された映像作品をあわせて上映します。
クラゲ、サンゴ、イソギンチャクなどは以前は、腔腸動物、近年は刺胞動物という系統に分類されます。最も体の作りが単純な生きものであるクラゲは、海という環境に巧みに適応した成功者です。その美しさを堪能して、皆さまの知的好奇心を満たす会にしたいと思います。(岡田一男/ EC国際編集委員:1984-96年)
腔腸動物とは、多くの生きものが口から食べ物を摂取し肛門から排出するのに対し、口があるだけで、摂取した養分の老廃物をまた口から吐き出すという形態から命名されています。また、刺胞動物という呼び名は、これらの動物群だけにある刺細胞という特殊な細胞に由来しています。獲物を捉える、敵からの防衛に使われるもので、強い毒針を細胞の中に収納しており、感覚器を刺激されると一瞬で毒針が飛び出します。これがクラゲに刺されるという現象です。
▼ECフィルムより
②E3066 ヒドラの一種 Hydra attenuata 貫通刺胞の発射 1983-86年 4分
淡水ヒドラはクラゲを作らず、ポリープ型のみで生きている。触手には強力な刺胞を持ち、
それで獲物を捉える。この作品は、超高速度カメラで、その刺胞発射を見せてくれる。
③E2427 エダアシクラゲ プランクトン捕食 1974年 8分30秒
エダアシクラゲはヒドロゾアの仲間で、ポリプの時代とクラゲの時代がある。ポリプにクラゲ芽ができ、やがて分離してクラゲとなる。
④E2429 ムラサキクラゲ ヒラアジの一種と遊泳 1974年 3分
ムラサキクラゲは外洋性の根口(ねぐち)クラゲの仲間で、ポリプ時代がない。ここではヒラアジの幼魚がクラゲに寄り添うことで、身を守っている様子を紹介する。
▼その他の上映映像
①『マリン・フラワーズ 腔腸動物の生活圏』 1975/94年 40分
(東京シネマ新社・大広・パナソニック映像)
1975年の沖縄国際海洋博覧会で上映された作品のHDリメイク版。
⑤『ムーン・ジェリー ミズクラゲのライフサイクル』 1977年 34分
(東京シネマ新社・下中記念財団EC日本アーカイブズ)
ミズクラゲは無性的に増殖するポリプ時代とオスとメスが卵から受精し変態を繰返して成体となるクラゲ時代を繰返す典型的かつ最も知られたクラゲの代表。この作品では、幼生が直接クラゲとなる場合も紹介。自然状態のポリプが観察されることは難しく、3年3シーズンかかった作品。
主催:公益財団法人 下中記念財団
■企画:EC活用委員会 / 下中菜穂(エクスプランテ)、丹羽朋子 (FENICS)、ポレポレ東中野
■協力:川瀬慈(国立民族学博物館)、岡田一男(東京シネマ新社)、NPO法人FENICS